2022年11月28日～12月3日に開催された、AsBIC 10において、理工学研究科応用化学専攻の畑真知さんが「ポスター賞(ACS Inorganic Chemistry Award)」を受賞しました。
　DNAの二本鎖切断は、遺伝子編集やがん治療への応用などの観点から重要です。そこでDNA二本鎖切断を起こす様々な金属錯体が開発されていますが、DNAの二本鎖切断は一本鎖切断に比べて困難な反応で、反応速度が遅いことが問題でした。畑真知さんは、p-Cresolの2,6位にamide-tetherでdpaを導入した配位子の二核銅錯体が酸素分子を還元的に活性化してDNA二本鎖切断を大きく加速することを見出しました。また、この反応の分光学的追跡や速度論的解析、及び、この二核銅錯体の電気化学測定、DNA結合定数や熱力学パラメーターの測定、DNAとの結合モードの分光学的解析などの研究を通して、この二核銅錯体がDNA二本鎖切断を大きく加速する理由を明らかにしました。

受賞名

ACS Inorganic Chemistry Award in AsBIC 10

発表題目

Burst of DNA Double-Strand Breaks by Dicopper(II) Complex with a p-Cresol-2,6-Bis(amide-tether-dpa) Ligand via Reductive O2-activation

発表者

畑　真知
理工学研究科 博士課程（後期課程）応用化学専攻 2年次生（理工学部 機能分子・生命化学科卒業）

連名者

人見　穣
理工学部　教授

小寺　政人
理工学部　教授