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計算数理研究室

教員

今井 仁司(教授)Hitoshi IMAI

DB

研究分野 数値解析と数理モデル
研究室  HS209
TEL  0774-65-6689
FAX  
E-mail himai@mail.doshisha.ac.jp

研究内容

研究内容

企業における製品開発の9割以上の作業がコンピュータを用いて行われるといわれています。このようにコンピュータを用いた解析は近年非常に発展しました。しかしながら、コンピュータの性能は30年で100万倍にも進歩することを考えると、いま現在のコンピュータの性能限界を気にするような研究はすぐに時代遅れとなります。コンピュータの進歩を考慮しながら、理論解析に貢献できる数値解析を目指しています。

研究テーマ

(1)非線形現象の数値解析および数値計算手法の開発
爆発現象や自由境界問題のカオス現象など、興味深い非線形現象を解析するために、数値シミュレーションによって解の具体的な振る舞いを明らかにします。必要なら、自由境界問題のアトラクターの数値計算法の開発など、数値計算法の開発も行います。

(2)方程式の解の滑らかさの数値解析
方程式の解の滑らかさは理論解析では主要な研究テーマです。この解の滑らかさを数値的に調べています。とくに興味をもっているのは、解析的か単なる無限回微分可能かどうかの数値判定です。解析的であれば無限回微分可能であるため、その区別は極めて困難です。

(3)解の非存在の数値解析
方程式の中には、溝畑方程式のように、解が存在しないものがあります。しかしながら、数値計算では(解を近似した)数値解が得られます。これは一体どういうことなのでしょうか。解が存在しないことを数値計算によって明らかにする研究を行っています。

(4)超高精度数値計算のための離散化手法の開発
スペクトル法は、任意次数近似を実現する離散化手法で、超高精度数値計算に必要不可欠です。ただし、特異点が近くに存在するときにはその高精度性を発揮することができません。特異点が近くに存在しても超高精度性を発揮できる離散化手法を開発したいと思っています。

(5)多倍長演算を用いた大規模並列計算法の開発と応用
この数十年にわたって倍精度計算が数値計算の基本でした。そのためか、倍精度計算の限界を気にする研究者はほとんどいません。ハードウェアの進歩による今後の計算環境を考えると、倍精度計算の限界を遙かに凌駕する多倍長計算が数値計算の一つの未来像としてあげられます。そこでは、現在の研究成果・常識が否定されることも十分ありえます。大規模多倍長計算を実現するための研究を行い、現在の常識を覆したいと思います。

(6)逆問題の直接数値計算法の開発と応用
地下資源探査などに代表される逆問題は、莫大な利権が絡むことも多い重要な実用問題です。この逆問題の解析は極めて困難で、数値計算を実行することさえ容易ではありません。この逆問題の直接数値計算を可能にして、逆問題の数値実験が普通にできるようにし、理論研究の発展に貢献したいと思います。