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機械工学専攻
機械工学は、多岐にわたる産業分野で中核となる機械・機器を設計・開発する重要なテクノロジーである一方、地球温暖化問題に代表される環境エネルギー問題解決への貢献も大きく期待されています。よって、機械技術者には、機械工学の基礎知識とその応用力のほかにも、広く科学技術の発展や社会的要望の変遷に伴い問題に柔軟に対応できる能力も要求されます。本専攻では、高度な機械工学の知識を獲得し、実社会で臨機応変に運用できる技術者・研究者の養成を教育の目的としています。具体的には、本専攻では、機械工学の基礎となる材料、熱流体、振動・制御・工作などの各学問分野を広く網羅するように研究室を設置して、専門分野を深く掘り下げるのみならず機械技術者としての総合力や基礎力の向上に努めています。さらに、本学建学の精神に沿い、自らの機械工学の専門性を生かし国内国際を問わず広く社会に貢献できる人材、機械工学を基礎として多様な科学技術に対応しその発展を通じて、人々の幸福に貢献できる人材の養成を教育の目的としています。
人材養成の指針
本課程では、次の能力を発揮できる人材の養成を目指します。- 機械工学のいろいろな分野や領域において、高度な専門知識を自らの良心に基づき運用できる能力。
- 機械工学の素養を充分身につけ、高度な研究・開発が行える研究者・技術者たるべき能力。
- 広い国際感覚とコミュニケーション能力を持ち、かつ、高い実務能力を有し、急速に変貌する社会変化とそのニーズに柔軟に対応できる能力。
- 自ら有する機械工学の知識を通して、公共社会の発展に貢献できる能力。
研究クローズアップ: エアーマッスルを用いた筋電義手の開発
写真の説明
上左 | 義手の駆動機構 |
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上右 | 開発した義手の外観 |
下左 | 義手による握り動作 |
下右 | 義手による摘み動作 |
本研究の目的は、義手の駆動源として空気圧をエネルギー源とする空気圧型人工筋(エアーマッスル)を用いることにより、安全で軽量な能動義手を開発することである。開発した義手の指には、各関節にエアーマッスルを配置し、屈曲・伸展動作が可能である。親指は他の指と異なり、屈曲・伸展動作の他に内転・外転
動作が可能で、握り動作や他の4指と向き合わせることで摘み動作が可能である。この義手は上腕部を含め約400グラムと軽量で、人間の手に近い動きが可能である。また、義手を駆動させるのに必要な空気圧力は150kPa程度であり、小さなエアタンクとコンプレッサで駆動でき、既に肩掛け型の空気源も開発している。さらに、運動の意志や力の大きさなどの情報を含む筋電信号を義手の制御信号として利用する、筋電義手の開発も行っている。