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地球システム科学研究室

教員

林田 明(教授)Akira HAYASHIDA

DB

研究分野 地球システム科学
研究室 HS-110
TEL 0774-65-6680
FAX 0774-65-6801
E-mail ahay@mail.doshisha.ac.jp

福間 浩司(准教授)Koji FUKUMA

DB

研究分野 磁気から探る気候変動
研究室 KE-309
TEL  
FAX 0774-65-6801

研究内容

地球システム科学 研究室

地球環境問題の特質は、人間活動によって生み出される物質やエネルギーが自然のシステムに擾乱をもたらし、その結果として人類の生存基盤が脅かされることにある。たとえば、二酸化炭素やフロンもそれ自体が有毒なのではなく、地球システムに大きな変化を引き起こすことによって人間に不安や不都合を与えることになる。地球環境の理解に欠かせないのは、地球システムの成り立ちと変化についての研究である。
本研究室では気候変動や地圏環境の変化などについて、地球科学を基礎とした解析と評価、モデリングなどの研究を行なう。たとえば、地球上の岩石や海底・湖底の堆積物には、顕著な磁性(強磁性、フェリ磁性、反強磁性など)を示す磁性鉱物(酸化鉄、硫化鉄、水酸化鉄など)が含まれている。磁気テープやフロッピー・ディスクがさまざまな情報を保持するように、岩石や堆積物中の磁性鉱物も自然残留磁化として過去の地球磁場の情報を記録する。残留磁化を測定することによって過去の地球磁場の記録を解読し、それを利用して岩石や地層の対比と年代推定、大陸移動や地殻変動などを探る研究を古地磁気学(paleomagnetism)という。さらに、磁性鉱物の種類や粒子サイズ、含有量などを調べることによって、堆積物の供給源や運搬経路、堆積時の水域の環境の変化を解読し、環境システムや気候変動の研究に利用することもでき、このような研究を環境磁気学(environmental magnetism)と呼んでいる。磁気測定を利用した地球環境やテクトニクスの研究は多種多様な試料を対象として行なわれており、地球環境の理解や近未来予測に大きく貢献すると期待されている。堆積物の記録は地球と人類の歴史を理解するためのアーカイヴであるとともに、未知の世界を探ろうとする人間の知的フロンティアでもある。

  1. 堆積物の磁気特性を指標とした環境変動の解析
    海底や湖底から採取した堆積物試料の磁気特性を明らかにし、環境システムや気候変動との対応を検討する。磁気特性のデータについて時系列解析や因子分析、地理情報システムを用いた解析等を行ない、物質移動のモデリングや定量的環境指標の検出を試みる。

  2. 古地磁気永年変化と古地球磁場強度変化、地球磁場逆転史の研究
    地球磁場の逆転は地球規模で同時に起こる現象であり、汎世界的な同時面を規定する。また、地磁気永年変化や地球磁場強度の変化はさらに詳細な年代測定や地層の対比に有効であり、気候変動や人類進化の研究にも広く用いられている。また、地球深部のダイナミクスを理解するための手がかりとしても重要である。

  3. 残留磁化の情報を利用した日本列島の形成史と地殻変動の研究
    古地磁気方位はプレートや地塊、小規模な岩体など種々の地質体の古位置を復元するために欠かせない手がかりであり、日本列島の移動や変形についても重要な情報を与えてくれる。短期間のうちに同時に堆積した広域テフラに着目し、いくつかの地域で同時に獲得された残留磁化を比較することによって、第四紀に起こった地殻変動を検出することもできる。