代数学研究室

教員

川口 周(教授)Shu KAWAGUCHI

DB

研究分野代数幾何学
研究室 
TEL0774-65-6971
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研究内容

研究内容

x, y を変数とし、代数方程式 y2 - x3 + 2 = 0 を考えてみましょう。これは「楕円曲線」とよばれるものの例です。この方程式の複素数の範囲での解集合は、左の図のようなドーナツから1点を取り除いた形をしています。実数の範囲での解集合は、右の図のような形をしています。
研究内容
研究内容
有理数の範囲での解(x, y)は(3, ±5),(129/100, ±383/1000)など無数にあります。また、p を素数とし、上の方程式の p を法とする整数解の集合を考えることもできます。(すなわち、y2 - x3 + 2 ≡ 0 (mod p) を満たす整数(x, y)を p を法として考えた集合です。Fp = {0, 1, ..., p-1} に p を法とした演算を入れるとき、この集合は Fp の範囲での解集合を考えていることになります。)

一般に、代数多様体はいくつかの多項式が零であるという代数方程式によって定義されます。いま、多項式の係数は整数であると仮定しましょう。このとき、上と同様に、さまざまな範囲での解集合を考えることができます。私はこのようなさまざまな範囲で考えた解集合の性質や、それら解集合の間の相互の関係に興味をもっています。なお、ここでは非常に一般化した書き方をしていますが、実際の研究では、多項式にさまざまな条件をおいて考えます。また、代数、幾何、解析のさまざまなことを使って考えます。

研究テーマ

(1)
アラケロフ幾何
(2)
代数・数論力学系と高さの理論
(3)
解析的トーション
(4)
非アルキメデス的幾何とトロピカル幾何

研究の概要

専門は(広い意味の)代数幾何学です。代数幾何学の研究対象は、代数多様体とよばれるいくつかの多項式の共通零点で表される図形です。私は多項式の係数が有理数の代数多様体に興味をもっています。代数多様体がそれ自身への良い写像をもつとき、その写像について代数多様体の有理点がどう振る舞うかなどを、高さとよばれる算術的な「大きさ、複雑さ」を測る量を用いて調べてきました。また、ジョセフ・シルバーマン氏との共同研究で、有理点の写像の反復合成に関する高さの増大度(算術的次数)と、写像の反復合成に関する次数の増大度(力学系次数)の関係を調べました。

代数多様体を定義する多項式の係数が有理数にとれるとき、有理数の分母を払うことによって、代数多様体の整数環上のモデルが作れます。このモデルを、それぞれの素数 p で特殊化して考えたり、複素数体上の複素多様体として考えたりすることで、元の代数多様体の情報が得られることがあります。このような見方は、アラケロフ幾何で典型的です。また、アラケロフ幾何に自然に現れる量に解析的トーションとよばれるものがあります(もともとは、複素幾何や微分幾何で考えられてきました)。さらに、代数多様体の素数 p における非アルキメデス的な解析化という操作があり、その解析化の中に多面体をいくつか組み合わせたようなトロピカル多様体とよばれるものが埋め込まれています。私は、アラケロフ幾何、解析的トーション、非アルキメデス的幾何とトロピカル幾何にも興味をもっています。