数理環境科学専攻
現代社会において、環境問題が最重要課題であることは論を待ちません。本専攻では、ともすれば情緒的になりやすい環境問題に、科学的に、かつ主体的に対処できる人材を育成することを目的としています。その特徴は、「環境科学」を、数理的な手法、地球環境的な視野、生命環境的な視点という3本の柱で考え、さらに、それを工学の中に位置づけて教育し研究している点です。本専攻のテーマである「環境科学」は、従来型の電気工学、機械工学、化学工学等が「縦割り」の発想であるのに対して、横断的な発想に基づいています。結果として、学際性をその特徴としています。
なお、本専攻は学部組織を持たない独立専攻として運営してきましたが、環境システム学科が2007年度に完成年度を迎え、学部大学院の一貫教育体制が完成します。
研究クローズアップ(数理科学)
確率微分方程式(stochastic differential equations)の数値的安定性の課題に取り組んだSIAM J. Numer. Anal. 33巻(1996)の論文(齊藤善弘と共著)は、この課題の出発点となる論文となり、今日までこの方面の研究論文では必ず引用される文献となっています。たとえば、図は、オイラー・丸山スキームと呼ばれる数値解法のstability domainを3次元空間に図示したものです。
研究クローズアップ(環境科学)
新エネルギーシステム研究室では、生きとし生けるもの全ての共生と人類の持続的発展を可能にする、新たなエネルギーシステムや社会環境を追求しています。
その哲学を踏まえて、資源・環境・エネルギーに関わる新たな価値観の創出やパラダイムの転換に資するための、新材料・新プロセス・新システムの創出に取り組むとともに、研究室から生まれた独自の技術シーズを実用化に結びつける研究開発を、他大学との連携、産官学連携、国際連携のもとに推進しています。
一方で、新反応の発見や、さらに先端的な新材料の創製法の創出をめざして、溶融塩系での化学反応・電気化学反応に関わる学術研究を継続的に進めています。
また、現在産業界で操業中、あるいは開発中の溶融塩電解工業プロセスに関わる電気化学工学的研究や基礎データ・知見の集積も行っています。