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移動現象研究室

教員

土屋 活美(教授)TSUCHIYA Katsumi

DB

研究分野 環境対策と混相分散流の移動現象論
研究室 SC-425
TEL 0774-65-6625
FAX 0774-65-6846
E-mail ktsuchiy@mail.doshisha.ac.jp

石田 尚之(教授)ISHIDA Naoyuki

DB

研究分野 コロイドおよび界面の化学と工学
研究室 SC-426
TEL 0774-65-6626
E-mail naishida@mail.doshisha.ac.jp

研究内容

A.コロイド・界面工学に関する研究

1.微粒子の調製と反応機構
溶液中の分子が拡散現象で集合し、クラスターや核を形成(相転移)し、ついには微粒子となる過程を研究する。この反応場のパラメータには、物質の濃度や溶液の温度だけでなく、反応場自身の構造や外部場力がある。反応場自身の構造としては、例えば水溶液中や有機溶媒中での界面活性剤の自発的会合体であるミセル(逆ミセル)、高分子や粘土粒子からなるゲル体などがある。この様な場を反応場としたとき、どの様な特異性が現れるかを、金属微粒子や高分子粒子の粒子析出を例にして、実験および計算機シミュレーションから検討する。また外部場力として電場や超音波場を用い、粒子生成時の特異性も調べる。さらに調製した粒子の光学的応用を検討する。
単分散ZnSナノ粒子の発光
金ナノ粒子の凝集制御と、表面増強ラマン散乱への応用
2.粒子を要素とする構造形成
溶液中に分散した微粒子を一つの単位と考え、構造を作るための操作パラメータを検討する。微粒子の構造形成には拡散力と外部場力および移流項と呼ばれる溶液全体の流れが問題となる。例えばスピンコート法では、移流項、外部場である蒸発項や粒子間あるいは粒子・基板間の相互作用の大小関係が粒子配列を決定するはずである。現実にはその他の要因の影響が少なからず存在するが、実験、および計算機シミュレーションで配列を決める要因と形成される粒子構造との関連を調べる。さらに得られた粒子配列の工学的応用についても検討する。
粒子を要素とする構造形成
3.ナノコンポジットの作成
複合材料は金属系、セラミックス系、高分子系に分類される。高分子系複合材料には繊維を入れた材料と微粒子を分散させた材料があり、主として前者は構造用材料として、後者は機能性材料として使用されている。近年は微粒子の大きさをサブミクロンにして、機能性の向上や添加量の減少を図っているが、粒子の分散状態が決定的な役割を果たすとされている。そこで高分子中への微粒子分散方法の検討と、分散状態の評価方法の開発を行う。
ナノコンポジットの作成
4.微粒子の大きさの同定と固体表面間の相互作用力の測定
ナノ粒子や微粒子を研究する上で、粒子の大きさの測定は基本的な物理量を把握する重要な操作である。また粒子間や粒子と他の固体表面間に働く相互作用力を見積もり、粒子の分散・凝集挙動を制御することがコロイド系では非常に大切な研究課題である。そこで多くの分析機器を用い、これらの課題を詳細に検討する。この課題は基礎的ではあるが、成果が波及する範囲は非常に広い。
微粒子の大きさの同定と固体表面間の相互作用力の測定
5.連続合成操作による単分散粒子の生成
大きさの揃った粒子を作製する方法に、静電微粒化法あるいは管型流通反応器を用いる方法があるが、その粒子生成機構はあまり明確でない。ケイ酸ナトリウム水溶液からシリカ粒子を作製する場合、およびアルギン酸水溶液からアルギン酸ゲルを調製する場合を例にして、種々の操作条件の影響を検討している。また流通反応装置では滞留時間分布を制御する操作法を検討し、シリカ単分散粒子の作製を試みている。
連続合成操作による単分散粒子の生成

B.地球環境・エネルギー問題に関わる気液固分散流プロセスに関する研究

1.地球温暖化抑制対策―大気中二酸化炭素の回収・隔離
地球温暖化とそれに起因する気候変動は、地球環境に関する重要課題の一つである。その抑制技術として気液分散流の特性を巧みに利用した二酸化炭素の高効率海洋固定法(GLAD: Gas Lift Advanced Dissolutionシステム)における気泡の溶解素過程および循環液流中の気泡群のダイナミック挙動を、主に「高速度可視化」を通じて解析し、GLAD溶解管内の気液混相乱流におけるガス溶解プロセスの解明を目指す。
地球温暖化抑制対策―大気中二酸化炭素の回収・隔離
2.複雑系混相流プロセスにおける局所界面を介した移動特性の解析と制御
異相間の相互作用によって出現する複雑なダイナミックスを「可視化」や「数値流体力学(CFD)シミュレーション」を通じて解析する。特にレーザ励起蛍光現象(LIF)に基づく物質拡散測定法を構築し、界面周辺の物質拡散の様子を高速度・高感度蛍光イメージングを通じて捉え、溶存成分の時空間濃度分布の定量化、さらには混相流内の局所流れ構造と濃度拡散パターンに立脚した反応制御を目指す。
複雑系混相流プロセスにおける局所界面を介した移動特性の解析と制御
3.噴流による反応器内ガス混合・燃焼反応のシミュレーション
反応器内に導入される複数の異なる(例えば、高温・低温)反応性ガスの混合拡散を「CFDシミュレーション」により流動、混合ならびに反応の観点から数値解析し、様々なガス導入方式および操作条件に対して混合ガス噴射ノズルを含む混合プロセスの設計計算を行う。加えて「流れの可視化」によるコールドモデル解析を通じて、混合プロセスの最適設計に関する研究も行う。
噴流による反応器内ガス混合・燃焼反応のシミュレーション
4.超音波霧化を利用した揮発性有機化合物の省エネルギー分離プロセスの開発
蒸留塔に代表される汎用分離プロセスに対抗して、多品種少量生産に適した(設備設置スペースが小さく、生産リードタイムが短い)アルコール等両親媒性化合物を含む有機溶媒の高度分離プロセスの開発を目指す。特に「温度シール型ワンパス超音波霧化分離装置」を構築し、その性能評価を行う。さらに、この霧化技術を利用した様々な有機化合物の分離回収を検討し、一つの環境技術としての確立を目指す。
超音波霧化を利用した揮発性有機化合物の省エネルギー分離プロセスの開発
5.マイクロチャンネル内微粒子輸送・分級特性の評価
微粒子集積化に要求される微粒子輸送の基本特性(粒径、分散等)の制御には、流路径変化や湾曲に伴う微粒子輸送・分級特性を解明するための液相流速分布、微粒子流跡、微粒子間相互作用等の評価技術を確立する必要がある。そこで「CFDシミュレーション」によりマイクロチャンネル内の流体および粒子の運動を解析し、マイクロチャンネルの設計指針を得る。これに基づいてプロトタイプを試作し、「時系列マイクロPIV計測技術」を導入することにより、チャンネル内流動場における微粒子輸送・分級現象を「高解像度・高速度可視化」解析する。
マイクロチャンネル内微粒子輸送・分級特性の評価