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地球システム科学研究室
教員
福間 浩司(准教授)Koji FUKUMA研究内容
地球の核から生じる磁場は,惑星間空間から飛来する太陽風や銀河宇宙線に対してシールド効果をもち,地球表層に生命が存在できる環境をもたらしている.地球磁場強度は機器による観測がはじまった19世紀半ばから100年で約5%の割合で単調に減少しており,この減少がつづけば約2000年後に地球磁場はゼロになる.太陽風や銀河宇宙線に対するシールドがとりのぞかれてしまい,地球表層の環境は大きく変化するだろう.機器観測がはじまる以前の地球磁場を火山岩・堆積物・考古遺物の測定からもとめ,球面調和モデルにより数百年から数千年の時間スケールでの地球磁場の変化を復元することをおこなってきた.野外での試料採取にはじまり,より高精度の測定をおこなうために測定装置を考案し,測定データを解析するためのソフトウェアをつくってきた.機器観測以前の地球磁場の方向だけでなく強度も高精度で得ることができるようになり,地球磁場と太陽風や銀河宇宙線の相互作用をあきらかにする道がひらけつつある.最近の主な研究テーマ
・GPSコンパスによる定方位試料の採取
・熱消磁装置つき自動スピナー磁力計の考案
・四元数にもとづく試料方位の変換
・磁気ヒステリシス曲線の数値分解
・過去400年間の地磁気双極子強度の変化
・東アジアにおける過去3000年間の考古地磁気モデル