研究内容
21世紀のIT化を進めるにはコンピュータの知的化の研究が重要となります。本研究室では、人間の意図を適切に汲みとることのできる知的コンピュータの実現を目指し、その基本となる知的メカニズムの研究を進めています。知的なコンピュータの実現には、語概念の論理的な関係である量(大小など)、時間、場所などの判断や喜怒哀楽、五感などの感情・感覚的な判断など、人間の様に常識的な判断のできるメカニズムの開発が必要です。概念ベースと関連度計算により実現される連想メカニズムはとりわけ重要な役割を果たしています。また、知的コンピュータの応用として、人間と音声で会話し、画像から環境を理解し、自律的に行動ができる知能ロボットの開発を行っています。
主要研究課題
- 概念ベースの自動構築・精錬方式の研究
電子化辞書やWeb情報から種々の概念を自動抽出し20万語以上の概念ベースを構築し自動精錬する。
- 概念間の関連度の定量化方式の研究
概念ベースで定義された語の意味の相互関係から、概念間の関係を定量化し連想や想起を可能とする。
- 時間・場所に関する常識判断メカニズム実現方式
季節や時間、場所に関する常識判断メカニズムの実現により自然な会話を可能とする。
- 感情・感覚に関する常識判断メカニズム実現方式
喜びや悲しみ、夕焼けを美しいと感じる常識判断メカニズムの実現により自然な会話を可能とする。
- 知的会話メカニズムの研究
意図理解と常識判断により発話の意味を理解しながら挨拶、雑談等人間との自然な会話を可能とする。
- 文書分類・要約の研究
概念処理に基づき、記事等、多くの文書を比較しカテゴリに分類したり、文書の要約を作成する。
- 表の意味理解の研究
各種の表形式で表現された情報を人間と同じように意味理解可能とする。
- Web等の知的検索方式の研究
概念ベースや常識判断を用いた連想により、Web等の情報検索をより知的で使い易いものとする。
- 看板理解に関する研究
看板に含まれている文字情報、画像情報、地図情報を抽出・認識・理解し看板全体としての意味理解を行う。
- 地図と画像に基づく環境理解の研究
概略地図を理解し、対応する画像情報から道路や建物を認識・理解し実地図作成を行う。
- 知的ロボットの研究
人間との音声会話に基づき移動,ジェスチャ、表情変化等を自律的に行う知的ロボットを実現する。