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金属材料科学研究室
教員
宮本 博之(教授)Hiroyuki MIYAMOTO
DB研究分野 | ナノ結晶材料の作製技術と機械的特性評価 |
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研究室 | YM-125 |
TEL | 0774-65-6406 |
FAX | 0774-65-6802 |
hmiyamot@mail.doshisha.ac.jp |
湯浅 元仁(准教授)Motohiro YUASA
DB研究分野 | 高機能金属系材料の創製と特性評価 |
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研究室 | YM-122 |
TEL | 0774-65-7078 |
FAX | |
myuasa@mail.doshisha.ac.jp |
研究内容
実用の金属材料は様々な方位を有する結晶の集まりである多結晶材料であります。この結晶の境界は「結晶粒界」と呼ばれ、材料の強さや腐食性と深く関わっています。当研究室では金属材料の「結晶粒界・異相界面」に関わる諸現象を研究フィールドとして、モデル材料から実用材料、超微細結晶材料を対象に主に以下の基礎研究テーマについて取り組んでいます。I.結晶粒界の粒界構造と諸性質に関する基礎研究
結晶粒界は金属材料の強度を高める性質をもっています(ホール・ペッチの法則)。しかし、高温環境や腐食環境では結晶粒界は亀裂の発生や伝播を担う場所となり、逆に材料の強度を弱め、粒界脆化を引き起こすことがあります。そこで本研究室ではモデル双結晶や3重結晶を用いた実験や数値シミュレーションにより、結晶粒界の構造とエネルギーの解析と粒界腐食、腐食疲労との関係について以下の研究をしております。- 高純度銅双結晶の腐食疲労に関する基礎研究
- 分子動力学法による結晶粒界の構造解析
- 粒界三重点のキャラクライゼーション
- 走査型振動電極法を用いた粒界腐食電位の測定
- 粒界偏析双結晶を用いた粒界特性の基礎研究
II.強ひずみ加工法による結晶粒微細化と材料特性
強度な塑性加工により金属材料の結晶粒を微細化することが可能で、強ひずみ加工法と呼ばれています。強ひずみ加工法では結晶粒を1ミクロン以下(1ミクロンは1000分の1mm)まで微細化された超微細結晶材料をバルク材として製作することが可能です。超微細結晶材料は結晶粒径が10ミクロン以上の通常の材料と比較して格段に高い強度を示します。しかし、結晶粒微細化や変形のメカニズム、腐食性など未知な点が多くあり、工学的にも科学的にも関心の高い分野です。当研究室では強ひずみ加工法の一つであるECAP法により銅やアルミニウム、銀など種々の金属について研究しています。
- 超微細結晶銅、アルミニウムの腐食挙動
- 超微細結晶銅、黄銅の応力腐食割れ性
- 超微細結晶材料の組織安定性におよぼす純度と積層欠陥エネルギーの影響
- ECAP法における銅単結晶の加工組織の形成と変形機構
- ECAP法のステンレス薄板への適用(ステンレス薄板の集合組織制御とリジング)
- ECAP法による超微細粒マグネシウム合金の諸特性
III.超塑性変形の基礎的研究
二相ステンレス鋼、二相黄銅などの多相合金は優れた超塑性を示すことが知られています。二相合金には同相の結晶粒界、および異なった相から構成される異相界面が存在し、後者の占める割合が界面全体の80%以上になると計算されています。本研究室では人工的に作製した異相(α/β)双結晶を用いて異相界面すべりのメカニズムを解明しています。
- α/β異相黄銅の界面すべり挙動
- 二相(α+β)黄銅の相界面すべりと超塑性変形機構解明
IV.ナノ結晶材料の作成と特性評価
金属材料の結晶粒径を100
nm以下まで微細化すると、材料中に占める結晶粒界の割合が劇的に増加し、結晶粒界の特性が材料特性を大きく左右するようになります。これらの材料は、従来の金属材料では得られない特異な性質を示すことから注目を集めています。本研究室では、電析法を用いてナノ結晶金属、合金、さらにナノコンポジットを作製し、その特異な材料特性の評価と、そのメカニズムについて研究しています。
- 電析法により作製されたナノ結晶材料の特性
- 電解共析法によるナノコンポジットの創製
受託・共同研究
当研究室では実用材料を対象に以下の受託研究を行っております。
- オーステナイト系ステンレス鋼管転造ねじの耐食性・応力腐食割れ性評価
- べローズ型伸縮管の応力解析と疲労寿命予測式の確立および長寿命化