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理工学研究科応用化学専攻の中上 敦貴さん、北岸 宏亮教授らのhemoCDに関する新しい研究成果がアメリカ化学会誌「Inorganic Chemistry」に掲載されました。

理工学研究科応用化学専攻の中上敦貴さん、北岸宏亮教授らは、研究室で開発した人工ヘモグロビン化合物hemoCDに一酸化窒素(NO)ガスが水中でどのように結合するのかを研究し、その成果をまとめた論文がアメリカ化学会の専門誌「Inorganic Chemistry」に掲載されました。
一酸化窒素(NO)は、有毒ガスでありながらも生体内では血圧等を調整する重要な役割を持つ生理活性ガスとしての側面が知られており、医学的にも重要なガス状物質です。
今回、中上さんは所属研究室にて開発した人工ヘモグロビン化合物hemoCDが、水中においてNOガスと強く結合することを見出し、さらにNOが結合した状態のhemoCDがどのような化学構造となるのかについて、詳細に解析しました。電子スピン共鳴スペクトル、レーザー共鳴ラマンスペクトルといった様々な特殊分光学法を用いてアプローチし、構造解析を行いました。
北岸教授の研究室では人工ヘモグロビン化合物であるhemoCDを体内で有毒ガス成分を捕捉する医薬品として社会実装する研究開発を進めています。本成果は、生体内の重要なガスであるNOへの結合に関して、基本的な物性を調べ上げた基礎研究の成果であり、得られたデータは今後の研究開発に役立てられます。
論文題目
Nitric Oxide Binding to Ferric and Ferrous Porphyrins Encapsulated in the Cyclodextrin Nanocavities in Aqueous Solution
著者
Atsuki-Nakagami
Takehiko-Tosha
Masaki-Horitani
Koji-Oohora
Takashi-Hayashi
Wataru-Sato
Minoru-Kubo
Masahito-Kodera
Hiroaki-Kitagishi*
*責任著者
関連情報 | 論文掲載URL 機能有機化学研究室HP |
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