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日本化学会第105春季年会にて理工学研究科応用化学専攻の藤川恭祐さんが学生講演賞を受賞しました

日本化学会第105春季年会にて理工学研究科応用化学専攻の藤川恭祐さんが学生講演賞を受賞しました
2025年3月26–29日に開催された日本化学会第105春季年会において、理工学研究科応用化学専攻の機能有機化学研究室に所属する藤川恭祐さんが英語によるプレゼンテーションを行い、学生講演賞を受賞しました。
藤川さんは、Rdpa三座配位子の銅錯体がH2O2活性化によるシクロヘキサンの酸化反応を高速で触媒することに注目し、その詳細な反応機構解明の研究を行いました。その結果、Rdpa三座配位子の置換基(R = Me, Phenethyl, t-Bu)の違いで、それらの銅錯体のH2O2活性化機構が異なることを明らかにしました。これらのH2O2活性化は単核銅(I)錯体を経由して活性種としてヒドロキシルラジカル(HO•)を生じるFenton typeの反応と二核銅錯体を経由して錯体ベースの活性種であるμ-オキシルラジカル架橋二核銅錯体を生じる反応が進行することを明らかにしました。HO•を生じるFenton typeでは非特異的に配位子の酸化が進行し、触媒寿命が極端に短くなり、触媒性能が低下した。一方、錯体ベースの活性種であるμ-オキシルラジカル架橋二核銅錯体は高い酸化活性を示すと共に配位子の酸化が進行せず高い触媒活性を示すことを明らかにした。この研究の発表要旨、発表内容および質疑応答の姿勢などが総合的に評価されました。
発表題目
R-dpa 三座配位子の銅(II)錯体によるH2O2活性化: 配位子構造による H2O2活性化と活性種の制御
発表者
藤川 恭祐
理工学研究科 応用化学専攻 博士課程(後期課程) 1年次生(理工学部 機能分子・生命化学科卒業)
連名者
Alexander Granichny (Justus-Liebig University)
Siegfried Schindler (Justus-Liebig University)
北岸 宏亮 (理工学部 機能分子・生命化学科 教授)
小寺 政人(理工学部 機能分子・生命化学科 教授)
関連情報 | 2025 公益社団法人日本化学会 |
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理工学部・理工学研究科研究室事務室 TEL:0774-65-6211
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