自分の可能性に、国境はない。 留学体験記

ダブルディグリープログラム

菅 勇一郎 生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻 医工学コース
菅 勇一郎
生命医科学研究科
医工学・医情報学専攻 医工学コース

留学先
エコールセントラル国立理工科学院連合リール校

留学しようと考えたキッカケについて教えてください。

医療に関する課題を工学の側面から解決したいと思い大学に入学した。しかしながら、勉強するにつれて、医療機器には機械・電気・情報など、複数の技術が用いられ、更に規制に関する知見など幅広い知識が必要なのだと感じた。より広範な知識の獲得と、異なる分野の専門家と複雑な課題に共同で取り組む能力を身につけるため、EC Lilleへの留学を決めた。

どんな専門分野を学んだか。
また、現地での授業や研究の様子や、その面白さについて教えてください。

数学・機械・電気電子・情報などをグループワーク中心の授業を通して学んだ。加えて経済学・会計学・組織運営学なども必修科目であった。在学中は、同じ学生寮にみんな暮らしていたので、授業終了後も友人たちと宿題に取り組み、多くの時間を過ごした。授業とは別に、2年間かけて取り組んだ学生プロジェクトでは、フランス人やブラジル人の友人らと共に、超音波を使った液体生体試料の検査機器の開発を行った。プロジェクトは難航したものの、同じ目標に向けてチームで役割を分担し、仕事の効率や内外のコミュニケーションに気を払いながら取り組んだ経験は、留学の最後に取り組んだ現地企業でのインターンシップに活きたと感じた。

学ぶなかでの苦労や、その苦労をどう乗り越えたか教えてください。

カリキュラムは全てフランス語で、事前にしっかりと学んでいたつもりであったが、現地での同世代とのコミュニケーションの役にはほとんど立たなかった。そのため、学校の授業はグループワークが中心なので、次第に一緒に取り組んでくれる友人を得るのに苦労した。言葉がわからないので勉強についていけず、パーティーなどに誘われても部屋にこもり、新しい友人を得る機会を無駄にするという悪循環に陥ってしまった。ある時期から、所属していたサッカー部の練習や学内のイベントに参加するようになり、社交性を伸ばすよう心がけた。結果、多少拙いフランス語でも周りが耳を傾けるようになってくれ、レポート作成を任されたり、議論に参加する機会が増えてコミュニケーション能力が伸びるという好循環ができた。友人たちとの時間を大事にすることで悪循環を乗り越えた。

留学という体験を通して、何を得られましたか?
また、この経験を今後どのように活かしていきたいですか。

留学を通して不確実な状況や日本とは全く違う環境に飛び込む度胸が身についた。今後は、本来の目的であった、色んな分野の人と協力していろいろな課題を解決する領域で活躍したいと思うと同時に、留学中苦労した時期を乗り切った時のように、仕事と家族や友人と過ごす時間とのバランスを取りながらこれからの人生を充実させたいと思う。また、世界中の友人たちとの関係を保ちつつ様々なことに積極的に取り組んでいきたい。

留学中、最も印象に残ったエピソードを教えてください。

学校で開催された、プロトタイピングの大会で最優秀賞を得たこと。テーマに沿って、チームで何かしらの製品のプロトタイプを4日間で製作し、プレゼンを行って、企画の優劣を競い合った。自分たちのチームでは、騒音や空気汚染度といった環境情報を収集し遠隔で情報をモニタリングできるシステムを製作した。自分は回路・通信・制御を担当し、機械が得意な人、プレゼンやビジネスプランを立てるのが得意な人、画像編集などでプロモーションを作るのが得意な人などと、計画的かつ柔軟に取り組んだ。手が空いた時はチームメイトを手伝ったり、逆に手伝ってもらいながら進めた。外国人1人という状況で、積極的にチームに貢献でき、かつ成果が出たので、自分の留学での経験に自信がついた経験となった。

留学先での1日のスケジュールを教えてください。

平日
7:00起床
7:45登校
8:00〜10:001時間目 機械加工 実験

10:00〜10:15朝のコーヒーブレイク
10:15〜12:152時間目 機械加工 実験
12:15〜13:30昼休み
13:30〜15:303時間目 確率論 演習
15:30〜15:45午後のコーヒーブレイク
15:45〜17:454時間目 会計学 講義
18:00下校
18:00〜20:00部屋で休むor買い物
20:00〜22:30寮の談話室にてみんなで夕食

23:00就寝
休日
9:00起床
10:00寮の談話室にてみんなでブランチ
11:00〜13:00街の朝市で買い物

13:00〜15:00友達とカフェ
15:00〜17:00友達の部屋に集まって課題
17:00〜19:00サッカー部の練習
19:00〜21:00日本人の友達とレストランで夕食
21:00〜22:30バーで二次会

23:00帰宅&就寝

最後に、留学を考えている方に向けてのメッセージをお願いします。

留学をすると色々な国の色々な人たちの生き方に触れることができます。そうした人たちと毎日を過ごすことで、自分の思い込みを取り払って、将来についてより自由に考えることができると思います。楽しいことばかりでは無かったですが、確かに自分の限界を伸ばせたと感じています。もし、留学をするのか悩んでいるのならば、勇気を出して一歩を踏み出してみてはどうでしょうか。

留学を終えて

留学を終えて早2年が経ちました。東京で働くようになった現在も、留学時代の友人と毎週のように会っています。留学で大きく変化したものは交友関係であり、今後も自分の価値観や職業観に影響を与え続けていくでしょう。正直なところフランス系企業での就労経験と比較し、今の働き方には大きくギャップを感じています。しかしながら両者の強みを身につけることで、更にキャリアの可能性を広げられると確信しています。是非みなさんも在学中に異文化の中で学び、様々な経験を積まれてみてはいかがでしょうか。